マダニに咬まれた時の処置と予防。身近な草むらも注意!

マダニ対策_マダニが潜む草むら 獣医

マダニ咬まれた時の処置対策方法マダニが媒介する感染症について解説します!

うとう
うとう

ブログ管理人の うとう です!

マダニに咬まれて感染症にかかることがあるの、知ってる?

ケイちゃん
ケイちゃん

そうなの??そもそも、マダニなんてまわりにいないよ。

うとう
うとう

公園の草むらとか、身近なところにもマダニは住んでいる可能性があるんだ。キャンプ場や畑作業でも注意が必要だよ。

マダニに咬まれること自体は、痛みはほとんどなく傷が付く心配はほぼないです。

でも、咬まれることによって感染症にかかる危険性があって、放置していると発熱や重い症状が出ることもあるんです。

野外にでかけた時のために、症状、対策方法を知っておきましょう!

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1. マダニって?

葉の上にいるマダニ

マダニは、クモ綱ダニ目マダニ亜目(後気門亜目)マダニ科に属する節足動物で、野外に生息しています。

屋内ダニ・屋内塵性ダニは一生を屋内の布団やカーペットなどで生活し、ハウスダスト・アレルゲンとなりますが、マダニはそれらとはまったく異なる種類です。

屋内塵性ダニは肉眼で確認できないほど小さいのに対して、マダニはそれよりはるかに大きく吸血前で3~4mm吸血後のメスでは10-30mmもの体長になるため肉眼で見ることができます

より詳しい写真や種類はこちら↓
(参考リンク)
バイエル Life with Pet 画像・動画で見るマダニの種類、吸血方法
ヤマビル研究会 野外で注意したいマダニ



※ちなみに…屋内塵性ダニは主に以下の種類がありマダニとは異る健康被害を及ぼします。

チリダニ科コナヒョウヒダニ・ヤケヒョウヒダニ
 →人刺咬性はいが、アトピー性皮膚炎やぜんそくなどのアレルゲンとなる
ツメダニ
 →痛みはないが人刺咬性あり
コナダニ
 →人刺咬性ないがツメダニ類を増やす原因となる

(参考リンク 屋内ダニ・屋内塵性ダニ)
TCB JAPAN ダニについての基礎知識

2. マダニが住んでいるところ

マダニが住んでいるところ:公園などの屋外

マダニはおもに山野などの屋外に生息しています。

マダニは栄養源として哺乳類の血液を吸血する時期があります。幼ダニ・若ダニは成長するために小鳥やげっ歯類などから、成ダニは産卵のためにより大きな哺乳類から吸血して栄養を得ます。

シカ、イノシシ、クマ、ウサギなどの野生動物だけでなく、犬・猫など伴侶動物やペット、牛・馬・山羊・羊などの家畜、もちろんヒトもですが、マダニが吸血する動物は様々です。

ここで注意しなければいけないのが、マダニは山奥にだけ住んでいるわけではないということです。

登山キャンプをするような場所だけではなく、身近な公園河川敷農作業をする畑やあぜ道にも生息しているんです。また、春~秋に被害が多くなりますが、冬でも活動する種類のマダニもいます。

ケイちゃん
ケイちゃん

公園や河川敷でも、草むらに寝っ転がったりしなければ大丈夫でしょ?

うとう
うとう

そうでもないんだよ。

飼っている犬が河川敷で遊んでいるときにマダニがくっついて、その犬に触った人に移動することもあるし、外で遊んでいる子どもたちに付くこともあるるよ。

3. マダニに咬まれた!どうする?

ダニに咬まれた時の処置

ダニの咬着をみつけたら、できるだけ早く医療機関でダニを除去してもらい、適切な処置を受けてください!

なぜかというと

・早く除去するほどダニ媒介性の感染症にかかる確率が低いと言われている
・自分で取ろうとすると感染症にかかる危険性が高まる
・当日は症状がなくても数日~数週間後に感染症の症状が出たり、放置すると悪化する場合もある

等の理由からです。

マダニは皮膚に咬みついてからその場にくっついたまま(咬着)、数日~2週間ほどかけて吸血を続けます。マダニの唾液腺からセメントのような物質が分泌され、半日ほどで硬くなり吸血が終わるまで何日も皮膚から離れないようになるのです(一部の種類のマダニを除く)。

こんなにしっかりと固められたマダニを引き抜こうとしても、皮膚にマダニの口部が残っったりマダニ体内の病原体を逆流させてしまう恐れがあり、どちらも感染症にかかる危険性が高まります。

うとう
うとう

マダニ除去専用のピンセットもありますが、極力自分であまり触らないことをおすすめします。そのまま医療機関を受診し、

刺された状況・場所・日時を伝えることも大切です。

マダニに咬まれると炎症が起こって皮膚が赤く腫れたりしますが、かゆみや痛みがないことが多く、また時間が経ってから症状が出る場合もあり、咬まれたことに気付かない場合も多いです。

野外活動をしたあと数週間は体調の変化に気を付け、皮膚の発赤や腫脹・発熱・倦怠感などの症状が出た場合はすぐに医療機関を受診しましょう。そのとき、野外活動などをしたことを伝えましょう。

ケイちゃん
ケイ
ちゃん

飼っている動物にマダニが付いていたら?

獣医さんに診てもらいましょう。

動物の場合も炎症や感染症の心配があるだけでなく、マダニがいることに気付かないでいると増殖してしまい、それらがみんなで吸血をするので、貧血などを引き起こす恐れもあります。多数が咬着している場合は、殺ダニ薬を直接塗布して殺虫し除去します。

4. マダニ対策

外にいる子ども マダニ対策

むやみに草むらに入らない
草に直接座らないようにする
野生動物とのふれあいは避ける。

ケイちゃん
ケイ
ちゃん

そうはいっても、登山・キャンプ・バーベキュー・お花見・山菜取り・畑仕事・草むしり・公園でも遊ぶし…完全に避けるなんてできないよー

マダニは都心の公園でも生息しているし、草むらを避けると言っても難しいですよね。屋外で活動するときは以下のような対策をしてみてください。

虫除けスプレーを使用する
・ディートという成分は、蚊だけでなくマダニに対しても忌避効果があります。

マダニが衣服内へ入るのを防ぐ。
・長袖長ズボンを着用する
・表面が滑らかで布目の細かい服を選ぶ
・明るい色の衣服を選ぶ(マダニを見つけやすい)
・ズボンのすそは長靴や靴下の中に入れる

車内・屋内へのマダニの持ち込みを防ぐ。
・車に乗ったり家に入る前に、着ていた上着の内側・頭皮・頭髪内を確認する
・マダニがいたらガムテープでとるのも良い
・子供やペットも確認する

野外活動から帰宅した時に、マダニに咬まれていないか早期発見・早期処置する。
・帰宅後できるだけ早く入浴し、頭皮・首・脇・ひざ裏などの皮膚が柔らかく咬まれやすいところを目で確認する
・子供やペットも確認する

うとう
うとう

以前、野山から帰宅後、着ていたレインジャケットの内側に4-5匹の吸血前のマダニがいたことがありました。

幸いその時は咬まれていませんでしたが、知らずに車内や寝室へ持ち込んでいたらと思うと…、ダニチェックは大事だなと実感しました。

(参考リンク)
NIID 国立感染症研究所 マダニ対策、今できること

5. マダニが媒介する感染症

マダニが媒介する感染症 熱がある人
うとう
うとう

マダニが媒介する感染症は多くの種類がありますが、日本では主に以下のものが発生しています。

5-1. ライム病

スピロヘータの一種、ボレリアBorreliaという細菌による感染症です。野生のげっ歯類・シカ・野鳥がこの細菌の感染巣(レゼルボア)であり、マダニによって媒介されます。

マダニに咬まれてから発症するまでの潜伏期間は10-14日程度で、多様な症状があります。

潜伏期を過ぎて初めに現れる症状は、紅斑性丘疹こうはんせいきゅうしん(皮膚が薄く盛り上がり、赤くなる。下記の画像参照)や、刺された部分の赤い斑点です。紅斑は周辺へ拡大する遊走性紅斑ゆうそうせいこうはんとなります。

倦怠感・筋肉痛・発熱・関節痛・リンパ節の腫れが現れることもあり、これらは長い場合約4週間続きます。まれに循環器の症状や、顔面神経麻痺・髄膜炎などの神経症状がみられることもあります。

その後さらに数カ月~数年にわたって慢性的な症状が続くこともあります。慢性の皮膚炎・神経症状・慢性関節炎などです。また、上記の症状のうちどれかだけが急に現れる場合もあります。

↓紅斑性丘疹

ライム病_社団法人日本皮膚科学会

引用元:公益社団法人 日本皮膚科学会ホームページ ライム病の症状は?

(参考リンク)
NIID 国立感染症研究所 ライム病とは

5-2. 日本紅斑熱

紅斑熱群リケッチアの一種 Rickettsia japonica による感染症です。野生のげっ歯類、シカが感染巣(レゼルボア)で、マダニによって媒介されます。

潜伏期間は2-8日で、主要な3つの兆候として発熱・発疹・刺し口(↓の画像参照)が現れます。かゆみはほとんどなく、これらは多くの症例で見られます。

ツツガムシ病(後述)とよく似ていますが、日本紅斑熱の方が潜伏期間がやや短いです。他には頭痛・倦怠感もあります。

早めに治療すれば大事に至りませんが、放置すると重症化しやすく、高熱で動けなくなることもあります。もし刺し口が見当たらなくても、疑わしい場合は医療機関を受診しましょう。

発疹、刺し口、刺し口の拡大写真(右下)

日本紅斑熱の斑点_国立感染症研究所のHPより

引用元:国立感染症研究所 感染症情報センター IASR Vol.27 p 37-38:2006年2月号

(参考リンク)
NIID 国立感染症研究所 日本紅斑熱とは

5-3. 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

ブニヤウイルス科フレボウイルス属のSFTSウイルスによる、マダニ媒介性の感染症です。

SFTSウイルスを持つマダニに咬まれてから発症するまでの潜伏期間は6日~2週間ほど。主な症状は38度以上の発熱・下痢・嘔吐・食欲低下です。重症例では出血傾向を示すことがあります。(出血傾向とは、血が止まりにくくなる症状のことで、体の内外での小さな傷でも止血に時間がかかったり、少しの衝撃で青アザができたりします。)

2019年現在のところ治療に有効な薬剤やワクチンはありません致死率は6~30%と報告されています。

SFTSは2011年に中国の研究者らによって発表され、日本国内での死亡事例は2013年に初めて報告されました。それ以前には見つかっていなかった、新しいウイルスによるダニ媒介性感染症です。

(参考リンク)
厚生労働省 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A

5-4. そのほかの感染症

マダニは様々な感染症を媒介しており、重症化するものや未知の病気である可能性もあります。日本国内で発生がない病気でも、海外へ行ったときに感染する場合もあるため注意が必要です。

数は少ないものの日本国内でも発生例があるもの
・ダニ媒介性脳炎
・回帰熱
・Q熱
・エーリキア症
・野兎病

日本国内での発生はないものの、海外渡航中に感染例があるもの
・クリミア・コンゴ出血熱

他にも、世界で発生しているマダニ類が媒介する感染症は以下のようなものがあります。

マダニ媒介性感染症

引用元:公益社団法人 日本皮膚科学会HP
宮本健司、橋本喜夫。ダニによる感染症、皮膚臨床1999;41:1053-1061.
を橋本喜夫 (旭川厚生病院皮膚科 部
長)が改変した表です

(参考リンク)
厚生労働省HP ダニ媒介感染症

6. ツツガムシ病

ツツガムシ病リケッチアOrientia tsutsugamushi による感染症です。マダニ科ではなく、ツツガムシ科のダニ数種類によって媒介されます。

日本紅斑熱と症状がよく似ていることや、野外で咬まれて感染するという感染経路がマダニ媒介性の感染症と共通しており、北海道を除く日本各地で発生するので、ここに載せておきますね。

ツツガムシに咬まれてからの潜伏期間は10~15日間で主要な3つの兆候として発熱・発疹・刺し口(↓の画像参照)があります。日本紅斑熱と似ていますが、潜伏期間はツツガムシ病の方がやや長いです。

発症2~3日後に全身に1~2cm以下の紅斑・紫斑が見られる他、悪寒・38~40℃の高熱・頭痛・倦怠感・筋肉痛・リンパ節の腫れなどの症状が出ることもあります。

放置すると死に至る場合もあります。ツツガムシ科のダニは体長0.2~0.3mmとマダニよりも小さいため、咬まれても気付かない場合がほとんどです。

↓刺し口(写真右下)

ツツガムシ病_広島県

引用元:広島県HP つつが虫病患者の刺し口と発疹の写真 広島県監修「つつが虫病の診断にあたって」(1986年)


↓発疹

ツツガムシ病_

引用元:NIID 国立感染症研究所HP ツツガムシ病とは 須藤恒久著 「新ツツガムシ病物語」
ケイちゃん
ケイちゃん

こんなに病気があるんじゃ、外であそぶのも怖いなあ…

うとう
うとう

むやみに怖がるのではなく、対策方法や症状を知っておくことが大事だよ。

あとは、野外で活動後に体調に異変があったらマダニ媒介性の病気のことをちょっと思い出して、医療機関へ早く行くこと!

咬まれた自覚がない時もありますが、もしマダニに咬まれたことに気付いたら、そのとき元気で平気だと思ってもちゃんと病院で診てもらって下さいね。

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